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プロフィール
HN:
Dropout Devil(でびお)
自己紹介:
いかつい顔面を持つ31歳悪魔系会社員。
間違っても「小悪魔系」などではございません。

脱サラしてバーテンダーになるのが夢。
Bar開業までの日々をつづっていましたが、我慢できずBAR ARK ROYALの店長として1日営業をしたりしてます。
2012年7月に第一子を出産。子育て後に復帰します。
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Dropout devil's open business Diary
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もみくちゃの電車を乗り越えてようやく出社したら、ずっと働いてた上司たちがぐったりしていた。ヒゲそってなくて野人みたいになってる人もいた。
数人には交代だといって帰っていただく。
今までの時系列でびっしり埋まったホワイトボード3枚。写真におさめて記録する。
ボスが主要管理職を集めて朝のミーティングをはじめる。写真におさめて記録する。
寝袋片付けたり、全社員の計画停電ブロックを把握したり。ほとんどが震災対応だったけど私のは補助業務で、実際にインフラ装置や電力を守ってるチームは休む間もないようだった。
 
その日はそんな感じだったけど、翌日、15日火曜日には私は普通の仕事をしていた。
震災チーム以外の社員も普通の仕事に戻っていた。
あえて普通の仕事を普通にして、早く元に戻そうとしてたのだと思う。そうしないといけない、経済がまわらない、と焦っていた。いつもはやらないめんどくさい仕事も率先して片付けた。いてもたってもいられなかったから。きっと他の社員もそうだったと思う。
 
実は、15日は部の若手による大規模飲み会を予定していた。
個人的には開催したかった。ちょうど自粛の波が押し寄せてきていて、いつか外食をやりたい身としては飲食店を応援しなくちゃという気持ちが強かったから。
でも、計画停電ははじまったばかりで鉄道への電力優先供給はされておらず、帰りの電車がちゃんと動くかわからなかった。
社員が帰れるかわからないから開催できなくて、お店にキャンセルの電話をした。向こうもわかってくれていて、だからもっと申し訳なくて、次に飲むときは絶対にこのお店でやるんだと心に決めた。
せめてひとりでも外食しようとその週のランチはいろんなお店に行ったけど、いつもは行列で入れないお店が簡単に入れて切なくなった。
友人たちと「今なら予約取れない店に入りやすいし、街も空いてるし外食しよう!」とたくさん外食した。「自粛」と戦ってる気持ちだった。

30da2b40.JPG

 

4月の人事異動も凍結になった。異動だー、地元に帰れる!とはしゃいでいた社員は異動ができなくなったけど、正直それどころじゃなくて誰も文句は言わなかった。
自粛や原発や風評被害や脱原発、節電やボランティアや募金や「がんばろう日本」。地方選挙。石原都知事。
聞こえてくるたくさんの声に、今まで考えたこともなかったことに思いを巡らせたり、勇気をもらったり、理不尽な人に少し怒ったりした。
一時韓国に避難した英会話教師と、彼の帰国後原発について語ったりもした。
大好きなアーティストのライブで、彼女が新潟地震のとき作った歌を聞いて涙した。
原発で作業している人のつぶやきも、日々読んでいる。ただただ、感謝。
 
そうやって、ゆっくりゆっくり、現実に戻っていった。
でも。
今でも全然終わってなんかいないことはわかっている。
私のタイムラインには現地からの声が流れてくる。
ボーナスなんてないよー。バーゲンって何それおいしいの?大家さんがもう補修できないからアパートつぶすって言ってる。できるだけ悲しくならないように、それでも現実を伝えようとしているつぶやき。
 
旦那の会社の工場がある福島では社員たちが奮闘しているそうだ。
家族を避難させてひとり残り、働くお父さん。
おれはもう子育ても終わってるから逃げねえよ、仕事持ってこいと言う工場長。
遠慮して仕事をまわさないようにしていた旦那はそんな工場長に勇気をもらったようだ。福島に仕事を送るためにいつも以上に営業をかけて仕事を取ってきて、おかげでものすごく忙しくて、帰宅がとても遅い。
そんな彼を誇らしく思う私がいて、ちゃんと夕御飯を作って迎えたりしている。
会社を辞めた社員もいるそうだ。工場は福島から動けない。それに納得できなかったり、どうしても都合がつかなかった人。自分の健康を守らなくてはいけなかった若い社員。
きれいごとだけじゃない。福島にだって、避難しない奴はバカだって言う人もいる。そうじゃない人もいる。それだけのことなのだ。
みんな、自分のできる範囲でできる限り最善の選択をしているんだ。
 
あれからもうすぐ4カ月。
あの日に気付いたのは、この平和はずっと続くわけじゃなかったんだということ。
それがあのとき失ったたくさんのものの代わりに得ることのできた唯一のことだ。
これから日本はどうなるだろう。
どうなってもいい。どうなろうと、私はこの国とこの国の人々が好きだ。
だから、大好きなこの国のために自分ができることをやり続けて、笑って生きてやる。

その先に見える未来がどんなものでも。



 
勇気をくれたたくさんの人たちに感謝をこめて
2011月7月8日 Dropout Devil 拝



 
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