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プロフィール
HN:
Dropout Devil(でびお)
自己紹介:
いかつい顔面を持つ31歳悪魔系会社員。
間違っても「小悪魔系」などではございません。

脱サラしてバーテンダーになるのが夢。
Bar開業までの日々をつづっていましたが、我慢できずBAR ARK ROYALの店長として1日営業をしたりしてます。
2012年7月に第一子を出産。子育て後に復帰します。
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あの日から3ヶ月。
東京は少し暗くはなったものの存外普通で、まるであの日がなかったみたいに思うことが、ある。
そしてそれがとても怖い。
忘れてはいけない、そう思うのに。
人は忘れるものだけど。忘れることで、慣れることで精神のバランスをとって、立ち直っていくものなのだとはわかっていても、忘れてはいけないと私の中で警報が鳴る。
だから、2011年3月11日の自分を記録に残しておきたいと思う。
全部忘れてしまう前に。
__

あの日は14時半から社内打ち合わせが入っていた。
もうすぐ異動だと浮かれる上司を揶揄しながら引継ぎをしているときにビルが大きく揺れたのだ。

はじめは「あ、地震だー」くらいだった。
それが徐々に大きく揺れ、あわてた私はまずは自席へ向かった。状況を把握するために自席の近くにあるテレビをつけようと思ったのだ。
うちの会社はインフラ系。うちの部は技術系・縁の下の力持ち部門。そして、私の仕事はこの部署の統括。やばい、設備止まったらやばい、お客様影響が出るかも、そんなことを思った。だから情報を得なくては、と。
でも、テレビはつけられなかった。近くまで行ったところで最大の揺れが来て、立っていられなくなった。座り込んで揺れがおさまるのを待つことしかできなかった。

どれくらい時間がたったのかはよくわからない。
たぶん、数分だったように思う。
おさまってようやくつけたテレビには、最大震度7のテロップが出ていた。
津波警報で日本地図の輪郭が赤く染まる。

大きい地震だ。でも震源地は東京ではない。直下型ではない、都市機能が壊滅ってことはきっとない、そう判断して、立ち上がった。
私の仕事はこの部署の統括。
まずは社員の安全確認をしなくては、と。
時計を見るとちょうど15時だった。

みんな大丈夫ですか、と、上司と一緒に部署を歩いて声をかける。
天井の一部が落ちていた。
書棚の扉は全部開いて、整理されたファイルが外に飛び出している。
書棚には鍵をかけよう、落ちやすいものは中にしまおう、誰からともなく声をかけ合って自然に片づけをする我が部の社員たち。
大きな余震に備えて出入り口の扉は開け放たれ、扉が開いたままの状態のときに鳴る警告音が響く。
ビルがギシギシときしむ。

私は各課長たちに部下の安否確認をお願いしてまわり、名簿でひとりひとりチェックしていった。
外出している社員や、夜勤明けで帰った社員がたくさんいる。
東京でも死者が出ているというニュースを横目に、大丈夫だよね、きっと無事だよね、と祈るように思いながら、ひとりひとり。

その中で、どうしてもどこに行ったかわからない女子がひとり。
地震の前から席に居なかったんだけど、打ち合わせや外出の予定もない。
トイレや近くの部にいないか確認する。いない。
すごい心配。不安定な気持ちの中で、駆け回る。

彼女の上司が手分けして彼女を探す中、今度は社員の帰宅経路の確認と家族の安否確認に追われる。
最近は個人情報の関連で各社員の自宅の場所を記した名簿がないのだけど、あえてそれを作った。それぞれの通勤経路、交通手段。そして、自宅・実家の場所、破損状況。手分けしてその情報を埋めていく。
それに取り掛かってしばらくして、居なかった彼女が見つかったという連絡が入った。
ちょうど1階のコンビニに買い物に行っていたのだという。
エレベーターが止まった巨大ビル。彼女の上司と同僚が2人で1階まで彼女を迎えに行き、一緒に階段であがってきた。じつに40階近く。
これで、全員。160人全員無事だった。
汗だくの3人の顔を見て心底ホッとしながら時計を見ると、16時になっていた。

続きます。


 
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