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プロフィール
HN:
Dropout Devil(でびお)
自己紹介:
いかつい顔面を持つ31歳悪魔系会社員。
間違っても「小悪魔系」などではございません。

脱サラしてバーテンダーになるのが夢。
Bar開業までの日々をつづっていましたが、我慢できずBAR ARK ROYALの店長として1日営業をしたりしてます。
2012年7月に第一子を出産。子育て後に復帰します。
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Dropout devil's open business Diary
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安否確認名簿を作っている隣で流れ続けているニュース。
どのチャンネルにしてもニュース。あのテレビ東京ですらニュース。いつか2ちゃんで見た「テレビ東京がアニメ放送を中止してニュース流したら日本が終わる」という冗談が現実になってることに戦慄を覚える。
そして赤く染まったままの日本地図の輪郭。
いつのまにか津波警報じゃなくて「大津波警報」になっている。
その津波が綺麗に整備された田畑を飲み込んでいく。道を走る車たちに襲いかかる。見ていられない。
映像のすさまじさに呆然としていると、隣にいた男気あふれる部長が私に言った。

「実家が東北の社員、何人いる?家族は大丈夫なのか、こんなの見てたら心配だろう…家族の安否確認も早くやりなさい」

そうだ、ボーっとしてる場合じゃない。
その声に我に返って安否確認名簿を埋める作業に戻る。
160人の中に、東北出身者がひとり。あの瞬間からずっと実家に電話をかけ続けている。
しかし当然のようにつながらない。
他に、奥さんの実家が東北の人が2人。こちらは奥さんが連絡を取る役目を担っているようだ。
自宅や家族への連絡は私が安否確認をしているうちにほとんど終わっていて、みんな特に問題ないことを確認していた。

で、ここで気付く。私、家族に安否確認してない!(笑)
なんだよみんな、いつのまに!てゆーか私てんぱりすぎだろ、と思いながら携帯電話を手に取るとメールが1通。旦那から。
「おれ大丈夫ー。そっちも大丈夫かな?」という簡潔なもの。時間を見ると結構早い。だからちゃんとメール届いたのか、あいつやるな…と思いながら「大丈夫!帰れるかが微妙!」と返信。いつ届くかはわからないけど、夜には届くだろう。
実家の母や妹たちにはどうしようかなー、としばし考えて、メールするのをやめた。どうせ今は届かない。夜落ち着いてからの方がいい。
かわりに、災害伝言板に登録。
家族に災害伝言板の使い方をちゃんと教えておけばよかった、と少し後悔する。

安否確認が少しおちついて、作業をしながら耳に入ってきていた「原発がやばい」の声にようやく追いついた。
15時頃に社長からの召集で緊急会議に出向いた上司たちが、何度か戻ってきて指示を出していた。
はじめは被害状況の確認。
15分ほどして電力の問題にぶち当たる。
電気が止まるとサービスが止まる。今インフラを止めたらさらに被害は拡大する。止めるわけにはいかない。
一気に仕事モードに入る社員たち。
いつもは酒飲んで管巻いてカラオケ行ったらピンクレディーとか乱舞してる彼らの仕事スイッチが入る。

原発の前にまず神奈川が停電していることが大問題になった。
神奈川のお客様のサービスを守るために何ができるか。東北をどうやって助けるか。ボスから下っ端まで駆け回っている。
いつもは我が部に足を運んだりしない重役の方々が降りてくる。
ありえないほどの緊迫したムードに、今日は帰れないことを覚悟した彼ら。
そして、震災のため通常業務が止まってしまった他の社員たちはテレビに釘付け。
「JRは一日動きません」と情報がテレビのテロップに流れて、「あーこりゃ帰れないわー」とこちらも帰宅をあきらめたりしていた。
何度も来た余震でビルは大きく揺れ、地震酔いになる人も多数。
その間私は、寝袋用意したり麦茶作ったり夜食確保したり、働く人達用の雑務に追われていた。

18時。我が社の定時時間が来る。家が近くて徒歩で帰宅できる人たちが意を決して帰りはじめる。
19時。総務部から「非常用食品配っていいよ」という指示が出る。
正直に言うと、このくらいからちょっと非日常を楽しんでしまっていたかもしれない。
わーい、とうちの部の分をみんなで取りに行き、運んで分配。缶に入ったビスケットと栗ごもく御飯。
ビスケットはおいしい。
栗ごもく御飯は、「…食べれる!」って感じ。
それでもエレベーターの止まった高層ビルにいる私たちにはありがたかった。コンビニに行くこともできなかったから。

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配り終わったあたりで、東北に実家がある社員から「親父と話せました」という報告が入った。
あああああーーーーよかった!!!マジでよかった!!
みんなで胸をなでおろす。
そしてようやく、私の仕事はひと段落した。
ネットを見る時間ができた。
非常食を食べながら、別のフロアにいる同期から飛んできていたメールにレスを返す。21:49。
「なんかやることあるなら手伝うよ!」と、じっとしていられない様子。
しかし私の仕事は落ち着いてしまったし、仕事であたふたしているチームにまざっても混乱するだけだし、彼らのためにできることは「呼ばれたときに支援できるよう待つ」ことだけ。
仕事がある社員は超いそがしく、仕事のない社員はネットやテレビに釘付けで情報を集める。
しばらくそんな時間が過ぎた。

たくさんのメールに返信して、ネットで情報収集。
ここではじめて震災後のつぶやきをした。
ちょうど会社を休んでいた後輩から「無事でよかった!」というリプライが飛んできて、彼女の安否も確認。家でひとりとか心細かっただろうな、と思う。
東京タワーのアンテナが曲がった、と聞いて、窓のそばから見てみる。
暗くてあんまりわからない。
同じ窓から下を眺めると、車道が渋滞のテールランプで真っ赤に染まっていた。

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続きます。


 
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