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プロフィール
HN:
Dropout Devil(でびお)
自己紹介:
いかつい顔面を持つ31歳悪魔系会社員。
間違っても「小悪魔系」などではございません。

脱サラしてバーテンダーになるのが夢。
Bar開業までの日々をつづっていましたが、我慢できずBAR ARK ROYALの店長として1日営業をしたりしてます。
2012年7月に第一子を出産。子育て後に復帰します。
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Dropout devil's open business Diary
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ようやく目的の駅に着き、少しの達成感とともに駅前に出た。
当然だが、暗い。少し不安になる。
いやいやいや、「バスは走ってる」という情報をあてにしてここまで来たのだ!大丈夫なはずだ!!とまわりを見まわすと、バスなんて1台も止まってなかった。
・・・マジでか?
でもよく考えたら2時半だもんなー、バス終わっちゃったのかな。しょーがないなーとあきらめに似た気持ちになる。
そんな暗い駅ターミナルの中、人が並んでいる一角が。
どうやらタクシー乗り場。
しかしながらものすごい行列。100人くらい並んでるのではないだろうか・・・。
 
さすがに萎えて、とりあえず旦那に電話しようと思った。
今思えば、電話したって迎えに来れないからどうしようもないんだけど(なんせ飲酒してるからね)、とにかく愚痴でも言いたかったのだと思う。
携帯の電池をもたせるため、すぐそこにあった公衆電話を使う。
電話をしたら、なぜか不機嫌な旦那。
「なんで帰ってきたの?」とか言われる。ええええーーーー。
どうやら家に後輩(男)を連れこんでるようで、彼がそばにいるからってかっこつけてるようだ。そんな状態で会話しても腹が立つだけなので、切る。
 
家までは5kmだから、歩くと1時間くらいの距離。
1時間なんて余裕だし、災害用にと会社に置いてあったスニーカーはいてきたし(正しくは防災訓練用なんだけど)歩こうか、と思う。でも同期との約束を思い出す。夜遅いから歩いて帰らない、という約束。
twitterのタイムラインにも「夜は危ないから気をつけろ」が流れてきてたし、おとなしく行列に並んでタクシーを待つことにした。
 
ものすごい人数。ゆっくりしか進まないし、どんどん寒くなってくる。
後ろに並んでいる人が、誰かに電話して迎えに来てもらってる。
それがうらやましくて、自分の旦那は来てくれないことに怒りを覚えていた。
 
確かに会社にいた方が安全だったかもしれないけど、なんで帰ってきたのかとか言われたらへこむわー。もうちょっと心配しろよー。
いや、心配してるかもしれないけどちゃんと口に出せよー。後輩いるからってとんがってんじゃねーよー。こーゆーときにそれが言えない旦那なんてひくわー。
つーかなに酒とか飲んでんだよ。でかい余震来たらどうすんだよ。飯だけ食え、飯だけ。
 
などと、自分が「ちょっとやってみたい!」とか軽いノリで帰路についたことを棚にあげて心の中で罵倒。
とても心細ったんだと思う。
そして悲しかった。
 
思わずさっき別れた同期にメールする。「やっぱり家に泊めてもらえばよかった」と。
すごい深夜なのに愚痴らずにいられなかった。しかし彼女は余震におびえて眠れないようで、お互い心の隙間を埋め合うようにメールをやり取りする。
彼女の彼氏もカラオケに行ったらしく、「ほんとなんなんだよあいつら…」とお互いのパートナーに対して憤っていた。
それでも友人と気持ちを共有できるだけでかなり心は軽くなる。そうやって時間が経った。
 
ゆっくりゆっくり、列は進む。
パラパラとタクシーが来て、列の人たちがひとりずつ1台に乗る。その様子を眺めながら、同じ方面で乗りあえばいいのになぁと思う。でも何も言うことなく待っていた。自分の番が来たら勇気を出して声かけてまわりと一緒に乗ろう、なんて思ってた。
途中、誰かを迎えに来た車から降りてきたマダムが、「年配の方で○○駅の方、乗って行きませんか?」と列に声をかけてくれた。3~4人名乗り出たおばちゃんたちがお言葉に甘えて乗っていく。
随分列が進んだ頃、自分の番が来たお姉さんが「○○方面の方いませんかー?運転手さんが同乗した方がいいってー!」と声をかけてくれて、何人か同乗をはじめる。
このあたりで、人々は隣の人と話し始めた。
寒いねー、どこに帰るの?会社からずっと歩いて帰ってきたんですよー。僕、もう携帯の充電ないです。ほんとJRなってないよね、なんて会話がまわりから聞こえてくる。
 
かくいう私も話していた。後ろに並んでた眼鏡男子と。
彼はすっげー痩せてて体脂肪少なめなのにコートも持ってなくて、リアルにガクガクブルブル震えていた。
あまりに寒そうなんで思わず「寒そうですね、大丈夫ですか?」と話しかけてみたら、今日は昼のうちに帰れると思ってたからコートを持って来なかった、帰ろうとしたら地震で電車止まった、と話してくれた。
私はダウンコート&長ズボン&スニーカーだったんだけど、それでも寒いと感じるレベル。そりゃ寒いよねその格好だと。
 
人々が話し始めて、同乗する人が増えて行く。私の前の5~6人の集団はもうずっとむしろ楽しそうに話していて、3人・3人のグループに分かれて同乗しようと決めていた。
なんかもう、微笑ましい。
彼らの番が来て、予定通り分乗して去っていく間際、私にも「お先に失礼しますねー!」と笑顔で声をかけてくれた。嬉しい。
次は私の番!という時になって、さっきの眼鏡男子にどの辺行くのか聞いてみると、違う方向。他にいませんかー、と後ろに聞いてみると、2人が同じ駅の住人だった。一緒に乗ることに決める。
よかったよかった、と満足してたら、躊躇してたおじさんが「あの・・・もう一人いいですか?」と名乗り出て、もちろんですよ!とパーティに加わることに。これで3人+私。
ほんとこれだけのことなんだけど、少しでも人の役に立てたような気がして少し嬉しかった。
 
そんなことしてたら、どこかのお兄さんが「バイクでよかったら送りますけど、どなたかいらっしゃいますかー?」と列に声をかけてくれた。
それだけを言いにわざわざ来てくれたんだと思う。
でも、皆さんバイクは躊躇しているようだった。年配の方も多かったし、何より寒かったし。私はもう次がタクシーだったから名乗り出なかったけど、あと20分早かったらたぶん頼んでた。
なかなか名乗り出る方がいなくてお兄さんも「誰もいないですかね」と苦笑いしてたのだけど、結局どなたか名乗り出たようだった。タクシーが来てしまったから最後まで見守れなかったのだけど。
 
タクシーに乗り込み、運転手さんにいろいろと話を聞く。
一緒に乗った3人はいずれも50代くらいのおじさんで、もう充電がないから家族に連絡できないとか、ワンセグの重要性に気付いたとか、タクシーもはじめから同乗してればよかったよねとか、でもみんなはじめは人見知りしてたんでしょうねとか、JRは情けないとかそんな話をしていた。
一番はじめに降りたおじさんが多めにお金を置いてくれて、最後駅まで行った3人(私含めて)は500円で済んだりして、なんだか助け合ってる感じで心が温まった。
 
ようやく家に帰ったら旦那と後輩がリビングで寝ていた。
せっかくのいい気分を台無しにしないように、怒らないようにしようと思ってたんだけど、ねぼけまなこでやっぱり「なんで帰ってきたの?」と言う旦那。
後輩の手前かっこつけてるのはわかったが、私は腹立つこと言われたらその場で迎え撃つ派。その場で言わないとフェアじゃないと思うから我慢はしない。だからまずは「地震起きたのにお酒飲むってのはどういうことかな?」と超冷静な正論で苦言を呈した。我ながら可愛くないし感じ悪い。
巻き込まれた後輩はしょんぼりしてた。先輩の嫁(しかも初対面)に怒られるなんてそうない経験だろう。旦那を送ってくれたのに悪いことしたなとは思うけど、まぁいいや。
 
とりあえずそれだけ言って、PC立ち上げて帰宅の報告ツイートをして、お風呂入って倒れるように寝た。
 



 
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